銀のステッキ

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銀ステ旅先案内人

2017/05/06

城端(じょうはな) 曳山祭り ~添乗員報告です~ 

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越中の小京都、南砺市城端の春を彩る、城端神明宮の祭礼「曳山祭」。
全国各地、「曳山祭」と名の付く祭りはたくさん伝えられていますが、
ここ城端の曳山祭が他と違って、「ぜひとも行ってみたい!」と思ったのはふたつの理由からです

まず、①飾り山
そして、②庵唄所望(いおりうたしょもう) です

 

昨年の秋、城端でおこなわれるもうひとつの秋の祭り
「むぎやまつり」に訪れた時のことでした
昼食をいただいたお寿司屋さんで、食事をしている時
ご主人が私たちの席まであいさつに来てくださり
「実はうち、来年の春の大祭で、山宿することになってるんですわ」
とお話ししてくださいました
山宿?と聞き返す皆さん
「この城端に住んでるもんは、一生のうちに一度だけまわってくるお役目で、
春の曳山祭の山車にのる6柱の神さんを、宵山の時に一晩迎えて泊まってもらうんです、その宿のことを山宿と言うんですわ」

「そらもう、神さん迎えるから大変で、家を改装して、二間から三間続きの部屋を用意して、畳は全部はりかえて、ふすまや屏風で飾り立てて、調度品を買い込んで、これ以上ないもてなしで迎えやなあきませんから、一回(それも一晩だけ!)迎えるだけで百万近くかかるんです」
「いざというときは神さん背負って逃げられるよう、その日は神さんに縄つないでおいて、同じ部屋で主人は休む、ちゅうことになってます。その準備やら何やらで、今から大変ですわ」

それを聞いていた皆さん
「それは珍しい風習やね!是非とも見てみたいわ、ご主人の山宿も見たいしね~」と意気投合

 

たたみかけるようにご主人
「それやったら、庵唄、聞いていってくださいよ」
庵唄?とまたしても皆さんキョトン
「庵唄っていうのは・・・」と説明いただき
「それならその庵唄もぜひ、聞いてみたいね~」と話しは半年前にまとまり、いざ、その本番を迎えたのでした

まずは、宵山の「飾り山」(飾り山のある家を山宿と言う)

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奥行きを出すために、畳は一直線にはる

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神様に見劣りしないよう、大きく可憐な花(朴の花)を飾る

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どの山宿も趣向を凝らして、この時ばかりと神様をお迎えしておられました
この山宿を見てまわるのが、宵山の楽しみと言われています
寿司屋のご主人も紋付き袴姿で訪れる人を接待
神さまにご挨拶もできて、半年前の約束を果たせました

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これが庵屋台。夜は提灯の灯りでぼんやりと浮かび上がる

そして、本祭。
曳山に庵屋台、傘鉾と行列が続きます。

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そして、お楽しみの庵唄所望の時間がやってきました

 

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こんな感じで庵唄を所望すれば、民家に横付けにされます


そもそも庵唄というのは、江戸端唄の流れを組む典雅な唄で、庵屋台の中で、若連中によって演奏されます。庵屋台は京都・祇園の一刀茶屋や江戸・吉原の料亭を精巧に模したもので、城端独特のものです

EC8C0EF2-98F8-4D0D-989A-62E69FC527D9これが庵屋台。6町それぞれの趣があります

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庵屋台の中に、囃子方、唄い方 など、町の若連中が入って演奏し唄います

庵唄所望とは、地元の習慣ですが、祝儀を出して庵唄を自分の家で聴くことです。

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この貼り紙のある家に屋台がつきます

所望した家では親戚知人を招き、簾を巻き上げて庵屋台を待ち受けます
そして、6カ町の庵屋台が次々に所望する家に横付けになり、
各町の選定した歌詞を書いた短冊を渡し、庵唄を披露します
本来、地元の方がご祝儀を出して家族親戚で愉しむものですが
今回、銀のステッキもご祝儀を出させていただき、
この貴重な庵唄所望を体験させていただきました!

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庵屋台を間近で見ることも、自分たちだけのために演奏してくれることも
本来は出来ない貴重な体験です

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庵唄を書いた短冊をいただきます

昔の人は、家にいながらにして江戸や京都の料亭遊びを
この庵唄所望を通して愉しんだと言われています

メインストリートを間近にのぞむ、所望宿
山車を眺めながら、庵唄に耳を傾ける・・・
なんと贅沢なこと!すっかり地元民の気分

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歴史ある祭りですから、山車を眺めるだけ、行列を追うだけ、
では、物足りないしもったいない
本来の楽しみ方を知ってこそだと感じました

 
記憶に新しいですが、城端曳山をはじめ、全国33件の「山・鉾・屋台行事」が昨年12月、ユネスコ無形文化遺産に認定されました

 

要旨は
1、地域の人々が一体となり執り行う,各地域の文化の粋をこらした華やかな飾り付けを特徴とする「山・鉾・屋台」の巡行を中心とした祭礼行事
 
2、祭に迎える神霊の依り代であり,迎えた神をにぎやかし慰撫する造形物である「山・鉾・屋台」は,木工・金工・漆・染織といった伝統的な工芸技術により何世紀にもわたり維持され・・・(後略)
 

3、各地域において世代を超えた多くの人々の間の対話と交流を促進し,コミュニティを結びつける重要な役割を果たしている
城端曳山祭まさにその名に恥じない祭りでした

(2017年5月4日(木)~5日(金)実施)
 

 

 

銀のステッキスタッフご紹介

まだ十代のころ、初めて参加した海外ツアーで献身的な添乗員さんの働きぶりに触れ、「私にはとてもムリ…」と思ったものですが、その後なぜか旅行業に就き、長らく海外ツアーの手配・添乗を担当しています。思うに、何でも食べられ、何でも飲めて、どこでも一瞬で眠れる、その一種の鈍感さが海外添乗向きなのかと(世の添乗員さん、ごめんなさい)。一方、趣味が高じて、国内ツアーで担当しているのは落語や歌舞伎など舞台もの。共通するのは、非日常へのトリップです。

古都奈良で生まれ育った環境からか、小さい頃から寺社仏閣めぐりが大好き。美しい仏像に出会えた時が、心ときめく瞬間です。休みがあればもっぱら温泉へ。それが山奥の鄙びた宿であれば尚良し。寺社にしても温泉にしても、脈々とその心を守ってきた人がいて、文化が継承されてきた証です。賑やかな表通りではなく、裏通りの忘れられたような場所にこそ、思いがけない出会いと旅の醍醐味があります。シブくて味わい深い旅を皆さまと一緒に築き上げていきたいと思います。

赤とんぼの街・たつの出身の私は、教室から見える山々を見て育ちました。山に秘密基地を作り、落ち葉を踏んで音を鳴らし、川でいかだ下りをしたり…。そんな私が大きくなり、海外に興味を持ち、2年間アフリカの真珠「ウガンダ」で生活しました。見たもの触れたものに、驚き、学び、活かすことを覚え帰ってきました。皆様とご一緒する中で目にする風景をいろいろな記憶と重ね、幼いころと変わらない気持ちで今日も皆様に特別な一日をお届けします。

徳島県という海と川に恵まれた土地で育ったせいか、旅先もまた海や川などの水辺が多い私。美しい景色をただ眺めているだけでも十分なのですが、一番の楽しみはダイビング。水中の浮遊感はそれだけで日常を忘れさせてくれます。どれだけ普段の生活から離れられるかが行先を決める基準かもしれません。最近、山の楽しさにも気づき、登ったり下ったりと忙しい日々です。四季折々の景色を見に…、いえ、体を動かすのが一番! 皆様のリフレッシュの旅に、ご一緒させていただきたいと思います。