銀のステッキ

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銀ステ旅先案内人

2017/03/24

鈴鹿の森のしだれ梅(と、うちの実家の波平梅) ~添乗員報告です~

それはそれは、たしかに見事な風景でした。

日本全国から取り寄せた四十種あまりのしだれ梅。
鈴鹿の山並みを背に、今を盛りと咲き誇ります。

3年前に開園した、三重県鈴鹿市の「鈴鹿の森庭園」。

バスを降りたとたん、甘い上品な香りがふわりと漂い、
その先は、梅、梅、梅。

梅と、青空と、三月の雲。

一本一本の木を見あげているときは、見事…のひとことではあるのですが、
ふと、全体をみわたして、奇妙な感覚にとらわれました。

ん…なんだか、変な感じ。

自分が梅を見ているのではなく、
「しだれ梅」の大木に、自分が取り囲まれてしまったよう。

しかも、その梅は、みな、同じ表情をしているのです。

表現は適当でないかもしれませんが、
同じ顔つきをした大人たちに取り囲まれたようで、
なんだか、…居心地わるい。

そんな居心地のわるさを感じながら園内を一周したところで、
アカツカのジャンパーを着た技術者らしき人を見つけました。

こちら「鈴鹿の森庭園」を運営するのは、園芸栽培のアカツカグループ。
しだれ梅の「仕立て」技術継承を目的とした研究庭園で、
梅のこの時期だけ、一般公開されるのです。

気になっていたことを訊いてみました。

――パンフレットにある「仕立て」の技術って、具体的にはどういうことなんですか?

簡潔に、分かりやすく、教えてくれました。

仕立てというのは、「形を作る」こと。
梅の木の、どの枝を主幹にして、どの枝に花を咲かせて、
どんなふうに枝を切って、どんな形に仕立てるか。

どこの園芸業者も、運搬を考えると、トラックの幅2.5m以上の梅を作れない。
でも、ここは未来永劫、梅のための庭だから、思いのままに梅を仕立てられる。
日本全国、どこをさがしたって、これだけの梅を一度に見られるところはないですよ。

そう、胸を張って、答えてくださいました。

そして、こちらが鈴鹿の森を代表する名木、「地の龍」。

――なるほどなぁ。

感心しつつも、なんとなく、違和感の正体が分かりました。

みんなが同じ顔つきのところは苦手。
私はやっぱり、こっちのほうが好きです。

その名も「思いのまま」。
まだ、咲いてはいなかったけれど。
<おまけ>  「波平さんの梅」

冬の間、スズメとメジロとヒヨドリの社交場になっていた、うちの実家のしだれ梅です。

どうやら上から花芽を食べつくしていたようで、咲いたらこんな哀れな姿でした。

追記:2日後に訪ねた鈴鹿の森は・・・満開でした。

皆さんの笑顔もお花に勝る満開でした。

(2017年3月15日)

銀のステッキスタッフご紹介

まだ十代のころ、初めて参加した海外ツアーで献身的な添乗員さんの働きぶりに触れ、「私にはとてもムリ…」と思ったものですが、その後なぜか旅行業に就き、長らく海外ツアーの手配・添乗を担当しています。思うに、何でも食べられ、何でも飲めて、どこでも一瞬で眠れる、その一種の鈍感さが海外添乗向きなのかと(世の添乗員さん、ごめんなさい)。一方、趣味が高じて、国内ツアーで担当しているのは落語や歌舞伎など舞台もの。共通するのは、非日常へのトリップです。

古都奈良で生まれ育った環境からか、小さい頃から寺社仏閣めぐりが大好き。美しい仏像に出会えた時が、心ときめく瞬間です。休みがあればもっぱら温泉へ。それが山奥の鄙びた宿であれば尚良し。寺社にしても温泉にしても、脈々とその心を守ってきた人がいて、文化が継承されてきた証です。賑やかな表通りではなく、裏通りの忘れられたような場所にこそ、思いがけない出会いと旅の醍醐味があります。シブくて味わい深い旅を皆さまと一緒に築き上げていきたいと思います。

赤とんぼの街・たつの出身の私は、教室から見える山々を見て育ちました。山に秘密基地を作り、落ち葉を踏んで音を鳴らし、川でいかだ下りをしたり…。そんな私が大きくなり、海外に興味を持ち、2年間アフリカの真珠「ウガンダ」で生活しました。見たもの触れたものに、驚き、学び、活かすことを覚え帰ってきました。皆様とご一緒する中で目にする風景をいろいろな記憶と重ね、幼いころと変わらない気持ちで今日も皆様に特別な一日をお届けします。

徳島県という海と川に恵まれた土地で育ったせいか、旅先もまた海や川などの水辺が多い私。美しい景色をただ眺めているだけでも十分なのですが、一番の楽しみはダイビング。水中の浮遊感はそれだけで日常を忘れさせてくれます。どれだけ普段の生活から離れられるかが行先を決める基準かもしれません。最近、山の楽しさにも気づき、登ったり下ったりと忙しい日々です。四季折々の景色を見に…、いえ、体を動かすのが一番! 皆様のリフレッシュの旅に、ご一緒させていただきたいと思います。