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2018/5/05

はい、さいなら桜と。

「そんなんでしたら、毎回大変じゃないですか?」

スタッフから、そう言われたことがあります。

そんなんとは、、、

お客様とあまり近すぎると、

ある日訪れるお別れが辛いのではないですか、ということのようでした。

しかも今後、度重なるであろう、お別れの日。

(銀のステッキなだけに、、、、仮定です)

 

結構、私、目パチクリで、ああ、そうとるんだと、思ったことを覚えています。

そして。

わかってないなぁ、が本音でした。

 

この春、さくら吹雪く頃、お客様が、きっぱり空に舞っていかれました。

その訃報はホウボウの方々から知らされました。

「あなたには知らせないと、と思って」

 

でも。

私は、お別れには行きませんでした。

涙も流しませんでした。

多分、今後も。

 

よくわかっているからです。

私たちは、日常じゃない場所の住民。

お客様にとっては、ハレの日に出会う袖触れ合うだけの縁者。

たまたま、晩年に、年齢を超えて親しくさせていただいた知人。

そう思っています。

たとえ、どんなに気心しれた仲にあったとしても、、、、

お客様は、最後は、ご家族、又は日常の世界に静かに帰っていかれるからです。

 

お別れしてからは、私たちの出番はどこにもありません。

あるように思うのは、社会的ビジネスの体裁。

 

「あなたのことが好き。

でも、風にように去りたいから、きっと知らせないわ」

ああ、これは寂しいですね。

草葉の陰から(そもそも墓の下という意味だから間違い)

と、これも叶わないのが、私たちの仕事なのでしょう。

 

旅は、非日常といいますが、そこに住む私たちは、

そこに訪れる人々と、その時間においてのみ関わっているのだと思います。

それ以上でも、それ以下でもなく。

 

だからこそ、旅に出られる間、

銀のステッキを手にしてくださっている間、

元気に旅を楽しんでいただくことが、私たちの使命だと思っています。

 

数年前ご一緒した東京の桜、千鳥ヶ淵、満開でしたね。

そういえば、福井の足羽川の桜並木、あれもやっぱり満開でした。

瀬戸内の海が見たいと、島旅も何度かご一緒しましたね。

 

私たちは、お客様との笑顔の思い出だけ、良いところどりが本望。

楽しい映像だけでいいのです。

だって、非日常の世界なのですから、そもそも旅に出るとは。

 

「悔しいけど、主人のこの世の最後の満面の笑み、忘れられない。

あなたが、お見舞いに来てくれた時のあれが最後だったのよ」

私も忘れられません、あのニカッと、フガフガの大笑い。

 

「主人の耳元でささやいたひと言、あれなんだったの」

 

あら、奥様、無粋ですわよ。

もちろん内緒です。

ふふふ。

せめて、表舞台には一生たてない住民のささやかな抵抗?

お許しください。

 

桜は、また来年も咲き誇り、そして舞い散ることでしょう。

 

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お待たせしております、旅便り「皐月便り」は、5/7(月)発送予定です。

皆さまからの旅のご相談をお待ちしております。

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銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日9:00~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.co.jp

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