はい、さいなら桜と。
「そんなんでしたら、毎回大変じゃないですか?」
スタッフから、そう言われたことがあります。
そんなんとは、、、
お客様とあまり近すぎると、
ある日訪れるお別れが辛いのではないですか、ということのようでした。
しかも今後、度重なるであろう、お別れの日。
(銀のステッキなだけに、、、、仮定です)
結構、私、目パチクリで、ああ、そうとるんだと、思ったことを覚えています。
そして。
わかってないなぁ、が本音でした。
この春、さくら吹雪く頃、お客様が、きっぱり空に舞っていかれました。
その訃報はホウボウの方々から知らされました。
「あなたには知らせないと、と思って」
でも。
私は、お別れには行きませんでした。
涙も流しませんでした。
多分、今後も。
よくわかっているからです。
私たちは、日常じゃない場所の住民。
お客様にとっては、ハレの日に出会う袖触れ合うだけの縁者。
たまたま、晩年に、年齢を超えて親しくさせていただいた知人。
そう思っています。
たとえ、どんなに気心しれた仲にあったとしても、、、、
お客様は、最後は、ご家族、又は日常の世界に静かに帰っていかれるからです。
お別れしてからは、私たちの出番はどこにもありません。
あるように思うのは、社会的ビジネスの体裁。
「あなたのことが好き。
でも、風にように去りたいから、きっと知らせないわ」
ああ、これは寂しいですね。
草葉の陰から(そもそも墓の下という意味だから間違い)
と、これも叶わないのが、私たちの仕事なのでしょう。
旅は、非日常といいますが、そこに住む私たちは、
そこに訪れる人々と、その時間においてのみ関わっているのだと思います。
それ以上でも、それ以下でもなく。
だからこそ、旅に出られる間、
銀のステッキを手にしてくださっている間、
元気に旅を楽しんでいただくことが、私たちの使命だと思っています。
数年前ご一緒した東京の桜、千鳥ヶ淵、満開でしたね。
そういえば、福井の足羽川の桜並木、あれもやっぱり満開でした。
瀬戸内の海が見たいと、島旅も何度かご一緒しましたね。
私たちは、お客様との笑顔の思い出だけ、良いところどりが本望。
楽しい映像だけでいいのです。
だって、非日常の世界なのですから、そもそも旅に出るとは。
「悔しいけど、主人のこの世の最後の満面の笑み、忘れられない。
あなたが、お見舞いに来てくれた時のあれが最後だったのよ」
私も忘れられません、あのニカッと、フガフガの大笑い。
「主人の耳元でささやいたひと言、あれなんだったの」
あら、奥様、無粋ですわよ。
もちろん内緒です。
ふふふ。
せめて、表舞台には一生たてない住民のささやかな抵抗?
お許しください。
桜は、また来年も咲き誇り、そして舞い散ることでしょう。
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お待たせしております、旅便り「皐月便り」は、5/7(月)発送予定です。
皆さまからの旅のご相談をお待ちしております。
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