めざせ、「まるっと四方よし」
その名を初めて知ったのは、日曜の午後にぶらりと入った
明石の魚の棚の一画にある立ち呑み屋でした。
(日常がもろばれですね…)
そこは魚の棚に並ぶとびきり新鮮な魚を刺身や天ぷらでいただきながら
真っ昼間からおいしいお酒が飲めるという、まるで白昼夢のようなスペースなのですが、
その手前は酒屋さんになっており、全国選りすぐりのお酒がおいでおいでと手招きするのです。
そこで出会ったのが、「じゃばら村」というリキュール酒でした。
奥で一杯いただいて、あまりの美味しさに買ってかえり、
製造元はとみると、「吉村秀雄商店」とあります。
初めて聞く名前。これが蔵元?
何日かして、風呂上りに欠かせない一杯になっていたので、
取り寄せようと「吉村秀雄商店」のホームページを見ました。
和歌山で古くからつづく蔵元のようです。
いろいろな日本酒や、果樹王国和歌山ならでは果物のリキュールが紹介・販売されているなか、
私のお目当ての「じゃばら酒」は…
「じゃばら酒は弊社オンラインサイトでは販売しておりません。
特約店でお求めください」
との文字。
え、なんで?
さらに読むと、
「皆様に旨し酒をお届けするため
当蔵の酒をきちんと管理していただいている特約店様は全国にございます。
お近くの特約店様をお調べしてご紹介しますので、お気軽にメールかお電話を下さい 」
とのこと。
魚の棚のあの店で売っているのは知っている。
でも、電車を乗り継いで1時間半かかるし、そうちょくちょくは行けないのよ…と落胆しつつ、
けっきょく翌日、魚の棚のその店に、注文の電話をしていたのでした。
今はもう、じゃばら村もオンライン販売されている(?)ようですが、
でも、そのとき面倒だなぁとぼやきつつ、思ったのです。
商売先をたいせつにしている蔵元なんだなぁ、と。
話は一瞬飛びますが、この夏、刊行された村上春樹氏のエッセー集、『職業としての小説家』。
ネット書店の浸透で、街の本屋さんが次々と消えていくなか、
その流れに対抗するため、紀伊國屋書店が初刷り10万部のうち9万部を買い取って
全国の書店で販売したことで話題になりました。
ネットでは売っていない。
本屋、または酒屋に行かないと買えない。
作り手としては、どこでもいいし、どんな形でもいいから売ってくれ~というのが本音でしょうし、
また商品によっていろいろ法律の規制もあるのでしょうが、
でもでもシンプルに極限すれば、売り手を決められるのは、作り手だってこと?
近江商人の格言、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしは、
本来、作り手も加わっての四方よしなんでしょう。
便利さは、一点集中を加速させます。
もちつもたれつ、のバランスを壊してしまう。
買い手に多少の不便を強いてでも、「売り手よし」を守ることで、けっきょくは
「作り手よし、売り手よし、買い手よし、世間よし」の
まるっと四方よしに治まるんじゃないかと思うのです。
そんなこんなで吉村秀雄商店さん、
先日の銀ステ・ツアー、利き酒「日本酒にしろ!の会」ではたいへんお世話になりました。
これからも明石・魚の棚の「たなか酒店」さんとあわせてお世話になりますので、
よろしくお願いします!
(大正4年の創業当初から使われているという土蔵蔵には、地下の貯蔵庫も!)
*************************************
行楽シーズン到来です。
秋の日帰り旅行、ぜひご一緒下さい。
*************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■銀のステッキは会員制の「旅サロン」を主催しています。
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
************************************