エレガントな旅人風
先日、スタッフで食事にいったときのことでした。
もともと口は悪いほうなのですが、
気のおけないなかで、さらにお酒が入るともう、
歯止めがきかなくなります。
その日はたまたま、
年下ばかりのオーディエンス(黙って拝聴するしかない人たち)。
気持ちよく自説をぶっていました。
最近、電車や喫茶店など公共のスペースで
素敵だなぁ…と見惚れる人が少なくなったと思う私。
「だって最近は若い子だけじゃなく、いい年した大人まで、
電車のなかでスマホや携帯をいじってるでしょ。
あれって、ぜんぜんエレガントじゃないよね~」
実際にはたぶん、もっと「辛辣」な言葉だったような気がしますが、
まあ、そんな意味のことを言いました。
オーディエンスのひとりが、珍しく食ってかかってきました。
「じゃぁ、どんなことしてたらOKなんですか。
新聞よんでたらいいんですか?」
ん~、新聞じゃないような。
問われて一瞬考え、次の瞬間、バーッとよみがえる情景がありました。
まだ学生だった頃、阪急電車の神戸線でした。
夕方には早い時間帯で、
車内はがらんと空いていました。
途中の駅から乗ってきた旅人風の青年。
精悍な顔つきに、顎には無精ひげ。
ずだ袋をさげ、私の斜め前の席に座りました。
オトコマエです。
ちらちら見惚れていたら、その旅人風、
ずだ袋から文庫本を取りだして読みはじめました。
いさぎよく、カバーなんてつけていません。
タイトルを見ると…
柳田国男の「遠野物語」 です。
うわ、もう、あかん、
ほれた、と思いました。
その青年、後光がさして眩しかったのを覚えています。
(たぶん西側を背に座っていたのでしょう)
いくつめかの駅で青年が降りていったとき。
思わずついていこうかと思いました。
そのまま降りていれば、
別の「○○物語」になってたかも…なんて、はは。
「じゃぁ、何よんでたらエレガントなんですか。」
もう一度きかれて現実に引き戻され、
「やっぱり、遠野物語…かな」 と答えた私を
オーディエンスは一同、ぽかーんと見ていました。
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明日から岩手のお祭り「チャグチャグ馬コ」に行ってきます。
最終日にはなんと、「遠野物語」の舞台、花巻へも!!
エレガントにいっぱい会えるかも…と、期待です。
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