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2013/6/06

エレガントな旅人風

先日、スタッフで食事にいったときのことでした。

もともと口は悪いほうなのですが、
気のおけないなかで、さらにお酒が入るともう、
歯止めがきかなくなります。

その日はたまたま、
年下ばかりのオーディエンス(黙って拝聴するしかない人たち)。
気持ちよく自説をぶっていました。

最近、電車や喫茶店など公共のスペースで
素敵だなぁ…と見惚れる人が少なくなったと思う私。

「だって最近は若い子だけじゃなく、いい年した大人まで、
 電車のなかでスマホや携帯をいじってるでしょ。
 あれって、ぜんぜんエレガントじゃないよね~」

実際にはたぶん、もっと「辛辣」な言葉だったような気がしますが、
まあ、そんな意味のことを言いました。

オーディエンスのひとりが、珍しく食ってかかってきました。

「じゃぁ、どんなことしてたらOKなんですか。
 新聞よんでたらいいんですか?」

ん~、新聞じゃないような。
問われて一瞬考え、次の瞬間、バーッとよみがえる情景がありました。

まだ学生だった頃、阪急電車の神戸線でした。
夕方には早い時間帯で、
車内はがらんと空いていました。

途中の駅から乗ってきた旅人風の青年。
精悍な顔つきに、顎には無精ひげ。
ずだ袋をさげ、私の斜め前の席に座りました。

オトコマエです。

ちらちら見惚れていたら、その旅人風、
ずだ袋から文庫本を取りだして読みはじめました。

いさぎよく、カバーなんてつけていません。

タイトルを見ると…

柳田国男の「遠野物語」 です。

うわ、もう、あかん、
ほれた、と思いました。

その青年、後光がさして眩しかったのを覚えています。
(たぶん西側を背に座っていたのでしょう)

いくつめかの駅で青年が降りていったとき。
思わずついていこうかと思いました。

そのまま降りていれば、
別の「○○物語」になってたかも…なんて、はは。

「じゃぁ、何よんでたらエレガントなんですか。」

もう一度きかれて現実に引き戻され、

「やっぱり、遠野物語…かな」 と答えた私を

オーディエンスは一同、ぽかーんと見ていました。

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明日から岩手のお祭り「チャグチャグ馬コ」に行ってきます。
最終日にはなんと、「遠野物語」の舞台、花巻へも!!
エレガントにいっぱい会えるかも…と、期待です。

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