パリ自由気まま旅行
「海外添乗で一週間もご一緒すると、
だいたいその方のことが分かるようになるんですよ」
私、そんな風に豪語しておりました。
でも、今朝がたパリから帰ってきたところで、前言撤回です。
お客さんのこと、なにも分かっちゃいなかった!!
今回はツアーではなく、ご姉妹のふたり旅に私がくっついていく
「添乗員と行く自由旅行」でした。
ツアーでは、もう何度もご一緒しているご姉妹です。
おふたりのこと、分かっていたつもり、だったのですが…。
ロンドンに2泊、パリに4泊。
手配内容はホテルと飛行機、列車のみ。
日中の行程は空っぽで、
ご希望やお天気に応じてご案内しますよ、というもの。
そうすると…お客さまの好みがストレートに出ます。
ゆっくりパリに滞在するのは初めて、ということで
ルーブル、オルセー、オランジュリーの
三大美術館は必ず見たいとのご希望でした。
「じゃぁ、パリで3日間あるから、1日ひとつずつ周りましょう。
どこも時間がかかりますから、朝いちばんに入館して、
館内のカフェでお昼も食べて」
これが私の提案でした。
最初は、おとなしく頷いていたおふたり。
ところが、最初に訪ねたルーブル美術館でいきなり言われました。
「わたしら、とりあえず有名なんだけ見れたらいいねん。
モナリザとか、ミロのビーナスとか。
だから、そこだけ連れてって」
…なるほど。
美術館はおのおののペースでゆっくり時間をかけて鑑賞するもの、
との固定観念はあっさり覆されました。
そこで、ルーブル美術館の鳥瞰図をみながら、ひたすら誘導。
フェルメールにルーベンス、ドラクロワ
アルチンボルドの「春」に「ナポレオンの戴冠式」、
そして、「モナリザ」と「ミロのビーナス」
広い館内を我ながら効率よく巡り、
ガイドブックに載っている有名どころは、ぜんぶ制覇!
と、ここで時計を見たら、所要たったの1時間半。
あれ、ルーブルってこんなにすぐ見られるものだっけ?
たいていのガイドブックには
「1日ではとても見切れない」とありますが。
お客さんのほうも、
「こんなもん? じゃ、次、オルセー行こか」 という勢いです。
いやいや、明日行くところが無くなりますから、と
そこは押しとどめました。
一方で、お買いものにはじっくり時間をかけられました。
ブランドものからキッチン用品、文房具、眼鏡、
かわいい子供服や下着、ワインにチーズ、チョコレートにいたるまで。
商品を手に、売り場にじーっと固まるおふたり。
今の間に…と私がお手洗いに行って戻ってきたら、
まだ同じ場所にじーっとしていて、動く気配まったくなし!
「じゃぁ、ここでゆっくり見といてください。
私、どこかでお茶してきますから」
何度、お茶を飲んだことか!
でも、そんなこんなを全てひっくるめて、面白かったです。
これまでにもご一緒するなかで
お買いもの好きなんだな、とは思っていました。
でも、やっぱりそれはツアーという容れ物のなかでの
仮の(?)姿だったんですね。
今回の自由旅行は、たとえるなら、
ふだん「制服姿」しか知らなかった人の「私服姿」を初めて見て、
「わぁ、私服だとこんな感じなんだ」
とびっくりした、というところでしょうか。
でも本来、旅は自由な私服が似合います。
今後の在り方として、面白さの可能性を十二分に感じる、
パリ自由旅行となりました。
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