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2015/4/26

マグリットの不思議世界

オフで東京へ行ったら、たいてい美術館をひとつ見て帰るようにしています。 

いつも直前まで予定は未定。
今回も、山手線の中づり広告を見て決めました。

国立新美術館で開催中のマグリット展。

 

パンフレットの文字は、
「目に見えるものの背後には、
 常に何か違うものが隠れている」

それをもっとも体現しているのがこちら。

 

 絵のタイトルは「白紙委任状」。

この絵を解説した画家本人の解説は、記憶によるとこんなかんじ。

「目に見えるものは、常に別の目に見えるものを私たちの視界から隠している。
一方、目に見えないものを私たちの視界から隠すことはできない」

ふむふむ。
これってまるで、『星の王子さま』ではありませんか。

さて、今回の展覧会で一番気に入ったのがこちらの絵。

 

タイトルは「傑作または水平線の神秘」。

絵を見ただけでは、ぽかん?でしたが、
紹介されていた、この絵についてのマグリットの言葉を読んでしびれました。
あやふやな記憶によると、こんなかんじ。

「男が三人いれば、三人それぞれの月の概念がある。
 その意味で、月は三つ存在する。
 だから私はそれぞれの男の頭上に、それぞれの月を描いた。
 一方で、月はひとつしかないというのもまた真実である。
 ひとつなのか、三つなのか。これはひとつの大きな哲学的命題である。」

おもしろいなぁ、まるで絵というよりも不思議な物語だなぁ、こういう世界、好きだなぁ
…と思っていたら、澁澤龍彦氏の著書にこうありました。

「結局のところ、私としては、マグリットが65年の生涯において実現したものは、
 一種の文学的絵画、一種の哲学的絵画ではなかったろうか、と考えざるを得ないのである」
                  『西欧芸術論集成』より

自分のあやふやな印象を、
偉大な先人がきっちりコトバで表現してくれている。
そんな文章に出会った時のうれしさときたら、格別です。

今回の東京行き。
マグリットは行程外のおまけでしたが、
思いがけない贈り物をもらったような時間となりました。

さて、明日からは山形です。
メインイベントの桜は……。

でも、マグリットのように、思いがけない時間に出会えますように!

 

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