マレーシアの王子様
原稿作業が終わり、ホッと一息つく間もなく、
明日からマレーシア・マラッカの旅が出発します。
ふだんなら担当ツアーは添乗までご一緒するのですが
今回、添乗はほかのスタッフに。
託しましたよ、よろしく!
添乗員と、手配内容についての打ち合わせのあと、
最後に大切なことを思い出しました。
ZAMRI と書いたメモ用紙を渡し、
「マレーシア人のガイドさんに、
この人知ってるか、聞いてみて下さい」
ZAMRI
ザムリ、と私たちは呼んでいました。
オーストラリアに留学していた頃、
各国からの留学生が暮らすシェアハウスの1室が
私の住まいでした。
広い庭つきの、大きな2階建ての一軒家。
1階、2階にそれぞれある台所とリビング、トイレ・シャワーは共同。
ベッドルームは7部屋あって、その1室が割り当てられます。
ニュージーランド、マレーシア、バヌアトゥ、韓国、
フィジー、インドネシア、そして日本。
私も含め、7人の留学生の国籍はバラバラ。
そして驚いたことに、7人中、5人が男性でした。
えっ? 男女混合?!
最初こそびっくりしましたが、それがオーストラリア流。
観念してスタートした共同生活は、とても快適で、
…そして今ふりかえると、夢のように楽しい日々でした。
楽しさの一番の理由は、先住のシェアメイト、
マレーシア人のお兄さん、ザムリの存在。
同じく日本からの留学生だった、リカと私とザムリの3人は
すっかり意気投合し、仲良くなり、
毎週スーパーへ買い出しに行き、
毎晩いっしょにテレビを見て、
時々レポートの宿題をみてもらったり、
マレーシアカレーを作ったりして過ごしました。
“I am a prince”
ザムリは、確かにそう言っていました。
プリンスって、王子…??
王子がこんなところで雑居するか?と思いましたが、でも…
よくよく見ると気品もあるし、
パレスの写真も見せてくれたし
だいたい、やたら我がままだし、
なんだか漫画に出てくるコミカルな王子様に見えてきて
「うん。きっと、ほんまに王子やって」
それが、私とリカの出した結論でした。
「日本で仕事がなかったら、マレーシアにおいで。
庭番に雇ってあげる」
というのが、ザムリの口癖でした。
「庭番がイヤなら、毒見はどう?
宮廷料理がたらふく食べられるよ」
この申し出は、私がどんなに暴飲暴食しても
ケロリとしているのを見て撤回されました。
「その胃袋だと毒見にならない」と言って。
ザムリ
何年ぶりかにその名前を口にしただけで、
懐かしさで胸がいっぱいになりました。
マレーシア、行きたかったなぁ。
思い出はたしかめないほうがいい、とは言いますが
明日からのツアーにひとつ、話題提供も兼ねて
ガイドさんに聞いてもうらうとします。
「ザムリ、本当に王子だったの?」
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