ブログメニュー
2009/8/25

マンボとピアノと歌謡曲

夏の終わりの、大曲の花火。
今年はテレビ観賞でしたが、大好きな「創造花火」の全作品を見て堪能しました。

今年のイチオシは、群馬県の花火師さんによる「白の世界」。
色とりどりの花火が多いなか、あえて白一色におさえ、
花火の形の美しさ多様さを、幻想的なピアノの音色にのせて表現。
モノクロ写真の魅力と同じですね。
夜空のキャンバスに描かれるモダンアートを見るようで、素晴らしかった。

ただ、人間の慣れとは恐ろしいもので、
一年目はただただ感激して見ていた大曲の花火も、
何年目かになるとアレコレ注文が出てきます。

実は、昨年からどうしても引っかかっていることがひとつ。
それは、テーマ曲の選び方です。

創造花火とは、たとえるならば、シンクロ、またはフィギュアスケート。
…と言えば、この競技におけるテーマ曲の大切さがお分りいただけると思います。

勝手に想像します。
大曲の花火への出場権を手にするような熟練の花火師さんは、
そうお若くはないはずです。
少なくとも、20代や30代ではないはず。
なのに、なぜコブクロなのか。

私の勝手な妄想。
親方が若い弟子を捉まえて、「おい、いま人気ある歌手は誰や。」
「あ、それならコブクロです。」
――だいたい、こんな感じじゃないでしょうか。

親方は、花火には心血を注いでおられるはずです。
なのにテーマ曲の選び方がこんなではもったいない。

いや違う、と親方は仰るかもしれません。
テーマにあった音楽を選んだ結果なのだと。

たとえば昨年優勝した創造花火のタイトルは「蕾から花へ」。
テーマ曲には、やはりコブクロの「蕾」が使われました。

しかし――。
花火でひとつのテーマを表現しましょう、というのが創造花火の趣旨なのに、
そのものズバリの歌詞、つまり言葉の力に頼るというのはどうなんでしょう…。

別にコブクロが憎いわけではありません。
路上で歌ってるときなら耳を傾けたかもしれません。
ただ、右向いても左向いても、「大曲の花火」でも『官僚たちの夏』でも、
どっち向いてもコブクロばかり、という状況にゲンナリしているだけ。
だって、全然あってないし。

表現者たる人たちが、長いものに巻かれろ、世間で売れてる曲を流しとけ、
…では、やはりあまりに寂しい。

そんななか嬉しいことに、今年の「内閣総理大臣賞」は
思いっきり痛快な創造花火が受賞しました。
その名も、「えっ! アフロでマンボ!? 」
マンボの軽快なリズムにのって、
夜空に巨大なパパイヤ鈴木の笑顔が何度もはじけたと思って下さい(笑)。

ふつうなら「すごく面白かったけれど、まぁ審査員特別賞かな」というぐらい、
伝統的なスタイルを離れて、遊び心満載だったこの花火。
審査員の方々も、かなり思い切った決断だったかも。
ご英断に拍手です。

さて、四夜連続の大曲の花火も、ここで打ち止め。
来年まで、ごきげんよう。

****************************************
貸切バス・オーダメイド旅行のご相談は…
銀のステッキ旅行
TEL 0797-91-2260(平日8:30~17:00)
■公式ホームページ:http://www.gin-st.com
■銀ステ旅先案内人:http://ameblo.jp/arailuka
****************************************

この記事をシェアする