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2016/4/05

卵かけ醤油に思い出す、鉄山師の里

奥出雲たたら製鉄の里へ。

すっかり忘れていました、私、随分昔に来てました。

 

山陰随一の桜の名所、木次の桜。

お花見に、プラス、ちょっと欲張ってと、たたら製鉄の里へ足を伸ばしました。

映画「もののけ姫」の加冶屋職人もこの奥出雲のたたらがモデル。

 

そもそも「たたら」とは、鉄を生産する技術のこと。

粘土で造った炉(ろ)に砂鉄と木炭を交互に装入して、

吹子(ふいご)で風を送り木炭を燃焼させて砂鉄を溶解・還元して

鋼(はがね)を作る日本古来の製鉄技術です。


「私も初めてです」といいながら、どこかデジャ・ヴー???

あれ、来たことあった?

 

地元運転手さんのフォローで、思い出しました。

「今や、全国で、卵かけごはん専用の醤油って、ありますが、

ここが最初に発信した場所ですよ」

あ!

思い出した、私、ここに来てるわ。

 

食べ物で思い出すとは、、、

 

確かに、当時は、卵かけごはん専用の、醤油に着目するなんて珍しく、

面白いなぁ、と思ったのが記憶に蘇ってきました。

 

でも、いまやB級グルメなんて言葉も当たり前。

観光資源って、着目点によっていくらでも広がっていくのですね。

アイデア次第!

 

そういう意味では、今回、ご案内した奥出雲のたたらの里は、

今後フューチャーしそうな観光資源かも、、、

「企業城下町」なんて言葉も新鮮。

 

奥出雲はたたら製鉄で栄えた町。

その製鉄業を生業にした人々で構成された村がありました。

一つの生業で、集った人々で社会が形成される。

 

司馬遼太郎は『街道をゆく』で、たたら製鉄で財をなした山林王・田部長右衛門に

会ってこんな紹介の仕方をしています。

「出雲飯石(いいし)郡吉田村は、

地図の上では虫眼鏡で見てやっとわかる程度の地名にすぎないが、

この村に、中国山脈のほとんどを所有しているといわれる

大山林地主の田部長右衛門家が存在することで、

その方面の学者の世界では高い知名度を持っている」

~『街道をゆく』より 

 

城を軸とした町でなく、仕事が軸でできた町。

田部家を中心にできた、企業城下町「吉田」、

今は、もう過去の産物ながら、

ひっそり、山深い奥出雲に残るたたらの里は何かを私たちに語りかけます。

 

現存する唯一の高殿様式のたたら場、室町時代から続く製鉄工場を

皆さん、興味深く見学されていました。

 

思いがけず、メインの桜以上に皆さんの心をつかむ、これぞ旅の意外性。 

寄り道こそ、旅の醍醐味、、、ですね。

 

銀ステ桜旅、まだまだ続きます。

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