寅さんの似合う駅と、よみがえった作州絣
舞台でも、主役より脇を固める俳優さんのほうが印象に残ること、ありますよね。
先週訪ねた岡山・津山城の桜は、そんな小旅行でした。
まずは、JR因美線の美作滝尾(みまさかたきお)駅へ。
寅さん48作目、最後の舞台となった木造駅舎です。
ツアーの準備の折、観光協会の方に電話で「現役の駅舎ですか?」と訊いたら、
もちろんです!とのお答え。失礼しました。
とはいえ、電車は1日に片道8本。
ふらりと乗りたくなりましたが、今度は時間をきちんと調べてから来なければなりません。
このガラス窓の向こうに、山田洋次監督からの自筆のお手紙が飾られていました。
曰く、
「美作滝尾駅のような美しい駅は、もうほとんど日本に残っていません」と。
JRの廃線への動きが次々と伝えられるなか、この駅もいつまで現役でいられるのか。
日本全国、のっぺり同じ表情の、寅さんの似合わない駅ばかりになったら困るなぁ。
つづいて訪ねたのが、作州絣工芸館。
経糸、横糸それぞれに染め上げた太目の木綿糸を、織りあげることで浮かび上がる絣模様。
城下町・津山で江戸時代に栄えたものの、
明治に入って化繊がどっと入ってきたことで一気に廃れ、一度は途絶えた作州絣。
自分たちの手で、伝統の技術を掘り起し、伝えていこうと保存会の方々が活動なさっています。
綿から育て、糸をつむぐ。
その糸を、絣模様が出るように、ビニール紐でしばって、染め上げる。
そして、ようやく「織り」に入ることができるのです。
気が遠くなるような作業。
でも、出来あがった作品からは、ひとつのものが生まれる行程を最初から最後まで感じられます。
そんなものって、今、そう多くはないかもしれません。
最後に訪ねた津山城。
明治の廃城令により、天守は壊されましたが、のちに市民の要望で櫓が復活しました。
帰り道、この先、何十年かのちを想像してみました。
そのときにはもう失われているかもしれない木造駅舎と、
一度は失われたけれどもまた紡ぎはじめられた作州絣。
形を変えて残った津山城に、桜は変わらず、毎年、咲いていくのでしょう。
お気に入りの作州絣、大切にします!
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