引き算の美学
台本のない音楽会。
進行役は、“教授”の愛称で知られる音楽家の坂本龍一さん。
一世を風靡したYMOから、
「ラストエンペラー」、「戦場のメリークリスマス」などの映画音楽での活躍まで
世界の坂本龍一はふだん、どんな音楽を聴いているのか。
そんなテーマで、爆笑問題の2人が“教授”こと坂本龍一さんにインタビューするという企画。
昨夜、興味津津でテレビのチャンネルを合わせました。
商業音楽はほとんど聴かない、カラオケは拷問に近い、という教授。
では、何を聴くのか。
「これにだいたい1万曲ぐらい入っているんですよ」
と開いた、愛用のノートパソコン。
そのなかから、お気に入りを何曲か披露してくれました。
アイヌやアフリカの民族音楽、
13世紀に作曲された古楽、お気に入りのJポップなど、
自由自在なジャンルの音楽が流れたあとで、
「これはどうかな」 と教授が選んだのは…
(無音・・・・)
ん? 今はやりの、若者にしか聞こえないモスキート音?
かと思いきや、
「これはね、音がしない音楽なんです。」
教授曰く
この不思議な曲のタイトルは、「4分33秒」。
作曲は、現代音楽で有名なジョン・ケージというアメリカ人。
音がしない…とはいっても、完全な無音というのはありえない。
鳥の鳴き声や人のざわめき、室内ならファンの音。
耳に届くそうしたすべてが音楽と言えるのではないかと提唱し、
大論争を巻き起こした歴史的な名曲だとか。
…凡人にはほとんど理解不能な世界。
いいです、私はどっぷり商業音楽で。
“教授”のCDだって買ってるし。
引き算して、引き算した果てにたどりつく、音のない音楽。
ひとつの世界を突きつめる人の目には、
まったく違う風景が見えているのでしょう。
音のない音楽。
絵のない絵本。
言葉にしない言葉。
どこにも行かない旅、というのもあるかもしれません。
とかく足し算ばかりに目がいきがちですが、
引き算の魅力というのが、たしかにあるような気がします。
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受けとる側の力が厳しく問われそうですが。