東の端っこの日の出
早朝、ぱちんと目が覚めました。
時計を見たら、5時前。
お天気も悪いせいか、まだ外は真っ暗です。
10歳まで通っていた小学校からは、明石の天文台が見えました。
兵庫県明石市。
東経135度がとおる、子午線の町。
「だから、ここ明石が、日本の標準時間なのよ」
担任の女先生にそう言われたときの、驚き、誇らしさ。
以来、「世界の中心はここだった」感は、わたしのなかに強く根づいています。
「協調性が足りない」
「もっと全体を見るように」
中学・高校時代のテニス部でもよくそう注意されましたし、通知表にも書かれました。
団体行動がキライで、みんなで「エイエイオー」と何かをするのが苦手。
高3のクラスはとても結束力が強くて、文化祭も体育祭も大盛り上がり。
そんななか私は準備段階から気分どんよりで、当日はたいてい欠席。
だから、卒業したときは、けっこうホッとしました。
二十代のころ、いちばん仲のよかった友人は、全体を見るのが得意な人でした。
日々のニュースでも何でも、俯瞰で見てあれこれ解説してくれる。
どうやったら、そんなに全体が見えるようになるのかと尋ねたら、
「カンタンだよ、こっちの端とあっちの端を見てから、自分の立ち位置を確かめるんだ」と。
きのうまで、北海道の根室にいました。
日本最東端のJR駅があり、最東端のゴルフ場や小学校がある、東の端っこの小さな町。
「せっかく根室まで来たんだから、日本一早い日の出を見にいきたい」
そんなお声があがり、有志4名でタクシーをチャーターして日の出を拝みにいってきました。
訪ねた8月31日の、根室の日の出は、午前4時40分。
日本最東端の納沙布岬へは、根室からさらに車で30分。
ホテル発を4時としました。となると3時起きです…。
でも、行ってよかった。
海もやの向こうに、印象派の絵のような、ぽやんとパステル色の朝日が現れました。
寒さに震えながら、少しずつ高く明るくなる朝日を拝み、
またタクシーに乗ってホテルに帰って時計をみたら、まだ5時すぎでした。
いま、これを書いているうちに、外が明るくなってきて、時計をみたら5時半。
日本標準時の明石では、今日の日の出は、午前5時32分です。
ということは、ここらへんでは今、雲の向こうで太陽が顔を出したはず。
東の端っこではもうとっくに海の上たかく、太陽が納沙布岬を照らしているころです。
今月末には、今度は西の端っこ、長崎県の五島列島へ行く予定です。
五島の今朝の日の出は…とみたら、午前5時56分。
西の端っこは、まだ夜明け前。
窓の外が少し白み始めたころでしょうか。
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