清張ドラマ、目の付け所
夜10時すぎ、久々に実家に帰宅したら
母がこたつでちんまりと
ちょっと重厚そうなドラマを見ていました。
昭和を舞台にした
松本清張・2夜連続スペシャル
『球形の荒野』後編。
あら、清張。
見たいけれども…後編か。
昨夜も見てないし、
今夜もすでにドラマの終盤。
遅めの夕食を食べながら、
私もテレビ画面を追うのですが、
江口洋介、田村正和、佐野史郎、風吹ジュン
重要そうな人物ばかりぞろぞろ出てきて
「これ誰?」
「なんでこの人、追われてるのん」
「え、誰が犯人なん?」
話がまったく読めません。
さっぱりストーリーに追いつけないので
見るのを諦めかけたところで
「…お!」
見覚えのあるお宿が画面に映り
思わず声が出ました。
■ドラマの舞台その1;伊豆長岡温泉
療養中の佐野史郎が滞在しているのは
伊豆の名湯の老舗旅館、三養荘。
「ここ、ツアーで泊まったことある!」
庭園を望むゆったりしたお部屋で
(そうそう、こんなお部屋だった)
江口洋介と佐野史郎がゴチャゴチャ話しています。
そのあげく、根負けした佐野史郎が江口に
「ここに行って(草刈正雄に)会いなさい」
と勧めた先は――
「おぉ、川奈ホテル!」
とここで、上げかけた腰をおろし、
最後まで見る態勢に。
■ドラマの舞台その2:川奈ホテル
「この川奈ホテルにも泊まったんよ」
「そうそう、ロビーがこんなクラシックで。
ここでお茶したなぁ、懐かしい」
→今年2月、添乗でご一緒した
早咲きの河津桜を愛でる伊豆のツアー。
お宿は、三養荘と川奈ホテルの泊まり比べ。
なんと贅沢なツアーだったのかと再確認。
■ドラマの舞台その3:ストックホルムの日本大使館
つづいて、主役と思しき田村正和の回想シーン。
時は遡り、終戦間際のスウェーデン、ストックホルム。
ドラマの中の「日本大使館」を見て…
「わぁ!」
――今度は何なのよ、と母。
「これ、武庫川の旧甲子園ホテルで撮影してるわ!」
――え、ストックホルムじゃなくて?
「うん、このタイル、この照明、間違いない!」
→フランク・ロイド・ライト様式の旧甲子園ホテル。
阪神間のレトロモダン建築として、
我が街再発見の旅で何度もご案内した場所なので、即答。
■ドラマの舞台その4:ジュネーブのホテル
回想シーンは続き、田村正和はスイス・ジュネーブへ。
諜報機関の密会に使われた、とあるホテルに…
「や!」
――またかいな、と母。
「この建物はたしか…
あ、分かった、ヴォーリズ設計の神戸女学院!
うん、この中庭、間違いなし!」
――え、ほんまに? ジュネーブちゃうのん。
「ジュネーブどころか、これ、西宮の門戸厄神よ」
→でもまぁ、旧甲子園ホテルにしろ、神戸女学院にしろ、
わざわざ関西で撮影したということは
阪神間は、やはり歴史あるレトロ建築の宝庫なのね、
となんだか嬉しくなる。
母もちょっと感心したふうで
――あんた、すごいな。
――パッと見ただけで分かるなんて。
フフフ
「まぁ、全部即答できる人は、
そうそういないかもね」
どんなもんだい、と得意満面。
■ドラマの舞台その5:
舞台はふたたび日本へ。
どこぞのお寺と仏像が映る。
「……」
――これ、新薬師寺やで。
――なんや、寺は分からんの?
とかなんとか、やってるうちに
田村正和の横顔にエンドロールが流れだし、
「え、ところで犯人は誰やったん?」
ちっとも話は読めないまま
清張の重厚なドラマは終了してしまいました。
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