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2009/7/02

相性の良い街

リリーンと電話が鳴れば、「はい、銀のステッキ旅行です!」
出勤3日目ともなれば、いろんなことに体が慣れてきました。
たとえば、早起き、新しいパソコン、事務所の謎の匂い…などなど。
人間の慣れって、すごい。

通勤ラッシュが不安の種でしたが、こちらは心配無用でした。
なぜなら、ラッシュは逆方向だったので。

ふつう旅行会社をかまえると聞くと、都市部をイメージされるかもしれません。
何せ相談に訪ねた商工会議所でも
「成功したいなら東京に行きなさい」と、真顔で諭されたほど。

でも私たちが選んだのは、
東京どころか都市部ですらない、緑あふれる小さな街。
レトロなワイン色の車体がおしゃれな私鉄に乗って
初めて駅に降り立ったときの気持ちの高鳴りは、今でも覚えています。

「この街なら住んでもいいかな」
一瞬で、相性の良さを感じました。

気取らなくて美味しい店がいくつかあり、
ジョギングすると気持ちよさそうな川の流れがあり、
適度に大きな本屋と図書館があれば申し分ない。

まさに、パーフェクト。

まだまだ駅と会社の往復だけで(徒歩3分!)
街の探検はこれからのお楽しみですが、
さっそくお気に入りの場所も見つけました。

安くて、びっくりするほど美味しい、
地元で知らない人はいないというパン屋さん。
店舗の2階はグランドピアノのあるカフェになっており、
村上春樹の小説に出てきそうな、もの静かな蝶ネクタイ姿のマスターが、
きちんと美味しいコーヒーを出してくれる。
…昼食は毎日ここで決まりだな。

とまぁ、えらく気に入ってますが、
人は、たいていのことに簡単に慣れてしまうもの。
いま感じているこの街との相性の良さも、いずれ何とも思わなくなる。ふつうは。

でも幸い、「銀のステッキ旅行」のもうひとつの職場は「旅」。
日本各地や世界各国のスバらしい風景や史跡を訪ねては、
またこの小さな街に帰ってくる。そのくりかえし。

旅の荷物をほどいて、「やれやれ、我が家が一番」じゃないけれど、
帰ってくるたびに新鮮な気持ちで思えるのかも。
「この街、やっぱりいいやん」と。

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