真夜中の出航 ~クィーンエリザベス号~
4日前の朝のこと。
添乗やら営業活動やらで、
スタッフの出入りの激しい銀のステッキ。
毎朝のミーティングで、
その日のそれぞれの動きを全員で確認するのが恒例です。
「今日はお昼前に事務所を出て、
神戸港までクイーンエリザベス号の見送りに行ってきます」
担当スタッフの言葉に、
いいなぁ…
羨望のまなざしが集まりました。
「わたしもお見送りに行きたいです!」
思わず声になりました。
…と、「どうぞどうぞ」
あっさり快諾?!
かと思いきや、
「出航は夜中の12時だから、仕事終わってから勝手にどうぞ」
ですって。
…ん?
でも、それも案外いいかも。
「じゃ、みんなで神戸でごはん食べて、見送りに行こうか」
わぁ、それいいですね!!
珍しく、あっという間に話がまとまって
各々、営業先から夜の神戸に集まることになりました。
――そうして中華をたらふく食べたあと
皆でくりだした夜のポートアイランド、神戸港。
巨大です!
迫力です!
…そして、ため息が出るほど優雅です。
港の向こう側のポートピアホテルも、オリエンタルホテルも
なんだかチャチに思えるほどの、豪華さ、重厚さ。
もう夜の9時をまわっているというのに
ひとめクィーンエリザベス号を見に駆けつけた人で、真っ暗な港は大賑わいです。
ほかのスタッフも興奮気味に、わーわー言ってきました。
「これに比べたら、飛鳥はたこフェリーですね!」 …うん。
「微動だにしてませんね。おがさわら丸と違って、これなら酔いませんね!」 …うん。
「これじゃあ、紙テープ持ってきたところで、デカすぎて届きませんね!」 …うん。
こちらは、なんだかもう、言葉になりません。
この巨大な船のなかに乗船されている○○さんは
小さな小さな方なのです。
海外添乗でご一緒すると、入国審査の台が高すぎて、
いつも審査官を見上げるように、伸び上がるように、
パスポートを渡しておられていた、その後ろ姿がよみがえりました。
オーロラの旅にご一緒したときは
もこもこしたスキーウェアを着込むと、もうペンギン歩きしか身動きがとれなくて
脱ぎ着するたびに、私が前にまわりこんでは
チャックを上げたり下げたりさせてもらいました。
なんとかの子には旅をさせよ、とは言いますが
とても強い方だし、おひとりで大丈夫とは分かっていますが
あ~、ご一緒したかった!
せめて、次の寄港地の長崎までだけでも (え?)
後ろ髪をひかれる思いで、港をあとにして、
自宅にたどりついたのが、深夜0時。
巨大建築でもあるかのように微動だにしなかったクィーンエリザベス号は、
そのころ、ぶるんと身震いし、神戸港を出港したはずです。
小さなお客さまの、55日間におよぶ船旅がはじまりました。
☆クィーンエリザベス号、本日、上海沖を航海中です☆
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