神戸三宮の大丸前の交差点で。
日本だけでなく、世界でも、大変な事態です。
本当に困ったことと、人並み程度に思いながら。
心に、ずっと引っかかっていたこと、言わんでもいいのですが、
言うこともありと思って、まあ、結局言うのですが。
ニュースはもちろん、視聴者のニーズに合わせて、
需要と供給のバランスが大事とばかりの話題で一色。
そんな中、本来、大きく報道されるべき事柄が、
とても、あっけなく報道され、数日後にはなにごともなかったように
消え去っていきました。
喉奥に小さな魚骨が引っかかるように、残っていました。
私が、初めてお二人にお目にかかったのは、もう、20年前くらいでしょうか。
神戸三宮の商店街前で、プラカードを立てて、
著名活動をされていました。
正直な感想は、「あ、ほんまに実在してるんだ」
テレビで何度か見た、娘さんのモノクロ写真を両手に掲げて、
小さな背を丸めて、道ゆく人々に声をかけておられました。
それから。
急展開で、日本に戻ることになった方もあって、日本中が沸き、
でも、お二人には笑顔はなく、いつも苦渋の顔でした。
雑踏で見かけた、ただそれだけ、ただそれだのご縁なのに
いつも、報道で目にするたび、気になっていました。
テレビを通して見れば、そこいらの、コテコテの関西弁を話す、
近所のどこにでもいる、オッチャン、オバチャンやないですか。
でも、戦っていて、勝ちたいと、ずっと長いこと戦っていて。
トランプさんにも自己談判するような、人たち。
それが20年前に街角で会った、
拉致問題で、声をあげる有本夫妻でした。
知らない人なのに、知っているような、そんな人当たりのいい風貌のご夫妻。
とても小柄なお二人でした。
そのオバチャンが、亡くなりました。
どれほどの無念だったでしょうか。
オッチャンの、いつものベランメイ口調も息を潜め、淡々と語っていました。
「涙は出るけど言葉が出ない」
すっとんきょうな感想ですが、なんとも賢い方なんだなぁ、と。
今は、もちろん大事。
でも、それが、今の自分だけが大事では、
過去からの教訓、未来への教訓には繋がらないように思うのです。
また、歴史を語り、未来に繋げる言霊を持った人が、
今を生きることに精一杯の人々中で、
その言霊を伝えることなく、静かに亡くなりました。
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