聚光院、もうひとつの襖絵 「滝」
きのうに引き続いて、大徳寺・聚光院の襖絵です。
狩野永徳の国宝「花鳥図」。
それとならんで目玉とされていたのが、
日本画家、千住博氏による「滝」。
2013年の書院落慶にあわせて奉納されたものです。
(こちらも写真撮影不可のため、雑誌の特集記事より)
永徳の障壁画と調和する襖絵の制作。
いっときも留まることのない時間というもの、
それを一瞬も止まらない、けれどもひとつ静態として映る「滝」に託しました、
――十数年をかけてこの絵を制作した画家は、そう語ります。
なるほど、とうなずきつつも、ちょっと考えてしまいました。
永徳の時代の襖絵であれば、依頼主である武家や公方の要望にそうよう、
たとえば、依頼主はじめ多くの客人が見たことのない海を描く、虎を描く、
そのことで、その家の主の威厳を高める、そうした意味がありました。
でも、今この時代、
なんでも見たことのある気になっている現代の人々に、
それでも響く絵って、あるんでしょうか?
心象風景や、抽象画や、デザインの方向へ行くしかない、
今は、そんな「絵の受難の時代」なのではないかと思ってしまいました。
狩野永徳が生きた時代、京の都は荒んでいました。
だからこそ永徳は、
都の賑わいと、人の営みと、受け継がれる祭事と、巡りくる花や雪を描きこんだ
「洛中洛外図屏風」を完成させました。
今、永徳が生きていたら、どんな絵を描くのでしょうか。
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