茶筌の世界
竹の穂先が茶碗に軽く触れ
シャカシャカ… お茶を点てる音が静かに響く…
茶道で目がいきがちなのが、椀や棗などの茶道具
忘れられがちなのが、茶筌です
奈良県生駒市高山が、国内生産の9割を占める茶筌の里だと知り、
いつか訪ねたいと思っていました
そこで、正倉院展とあわせて、午前中に行くことにしました
大きな門構えのお宅、広い庭を通り抜けると奥の部屋に
作務衣姿の男性が静かに座っておられ、
私たちを招き入れてくださいました
この男性こそ、「竹茗堂」当主の久保左文
高山の茶筌組合の会長で、
500年「一子相伝」で秘伝と呼ばれる技を伝えてきた茶筌師です
難しいお顔に見えて、一瞬ビビッてしまいました…!
(たぶん私だけ)
が、ひとたびお話しが始まると
さすがです
全然心得のない私にも、よく分かるようにお話しくださり
自然と茶筅の世界に引き込まれていきました
専門的なことなど、全くの予備知識なしに訪れてしまいましたが
茶筅をじーっと見ていると
細かい穂先一本一本が美の極致にように感じてきました
これ、一本の竹筒から切り出しているんです!
それも全く機械は使わず、全て人の手で!
たくさんの円が重なり、まるで小宇宙
茶筅を立てて上からご覧になったことはございますか
小宇宙に見えてきませんか
ただし、伝統を守り受け継いでいくことだけが使命ではない
そう考えた竹茗堂では
コーヒーを点てる茶筅マドラーや
外国人の方でも使いやすい柄の細くて長い茶筅などを開発
今年パリで行われたジャパンエキスポに招待され
その新しい用途の茶筅を世界に紹介したそうです
一子相伝の秘技でしたが、そんなこんなで
今では一般に公開し、世界中の人に広く
日本文化を代表する茶道というものを知っていただこう
そんな思いで今も茶筅を作り続けておられます
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