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2012/9/25

走るのか坐るのか 覚悟を決めなさい 


大阪と札幌を22時間で結ぶ、日本一長い寝台特急
「トワイライト」で訪ねる北海道から帰ってきました。

いえ、富良野から…というほうが正しいかもしれません。

訪ねたのは、倉本聰さんの富良野三部作、
「北の国から」「優しい時間」「風のガーデン」の舞台です。

これぞミーハー人間の真骨頂!ともいうべき企画。
でも意外やこれがズシンと響き、今もその余韻のまっただ中です。

私にとっての収穫は、倉本聡さんが
大地に根差した脚本家・役者を育てたいと私財を投じた
「富良野塾」の開塾20周年記念冊子が手に入ったことでした。

塾で学ぶ期間は2年間。
費用は無料。
でも生活費は自分たちで稼がねばなりません。
ですから塾生たちには北の大地での厳しい農作業が待っています。
そして、その作業に1日を費やしぐったり疲れたなか、深夜の講座、レッスン。

そんな濃密な2年間を終え、自分のもとを巣立っていく若者たちに
倉本氏が送るのはこんな言葉です。

 もしも君たちがなくしものをして
 それがどうしても見つからなかったら
 富良野に探しに戻っていらっしゃい

 残雪の溶けた塾地のぬかるみに
 君らの探しものはころがっているはずだ

 もしも君たちが都会の夜の底
 ネオンが眩しくて道に迷ったなら
 闇の中に立ち 星を見るといい

 天の川の下に八幡丘の道
 道なりに行けば 小学校の前に出る

 もしも君たちが暮らしに疲れ
 夢も目的も忘れ 流され始めたら
 フレベツ川の流れを想い出せ

 滔々と流れる空知川ではなく
 その源流の 塾を流れていた
 フレベツ川のささやかな流れを

 もしも君たちが走ることを忘れたら
 布礼別の農道を想い出しなさい

 そこにまだ足をひきずって
 走りつづけている仲間がいることを 

 夢をもつことは君たちを走らせ
 走る苦しさは君たちを止まらせる

 夢をもつことは君たちを走らせ
 走る苦しさは君たちを止まらせる

 
 もしも君たちがここで持っていた夢を捨て 走らなくていい楽な夢を望むなら
 富良野のことは もう忘れなさい
 僕はそのことを 軽蔑しようとは思わない

 しかし。
 それでも。どこにあっても
 「感動」ということだけは忘れないで欲しい

 感動を創るものは走らなければならず
 感動を得るだけなら坐しても可能だ

 走るか 坐るか
 覚悟を決めなさい

 そしてもし君たちがある日突然
 しばらく忘れていた感動を思い出し
 胸の奥から涙がつきあげたら
 いつでも富良野に帰っていらっしゃい

 坐して見るものとは お茶でも飲もう
 走っているものとは 酒を汲み交わそう
 俺たちは此処にいてずっと走っている
 ―――行ってらっしゃい
 

              倉本聰

ただまるごと引用するなんて、ルール違反です。
でも、ちっとも消化も昇華もできないまま
ここ数日ぐるぐると頭を離れないのです。

「感動を創るものは走らなければならず
 感動を得るだけなら坐しても可能だ」

「走るか 坐るか
 覚悟を決めなさい」

さぁ、いかがでしょう?

単純な私は、さっき急にアドレナリンが噴出し、
夜の武庫川を猛ダッシュで走ってきました。

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