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2012/3/19

遅ればせながら…イタリアに行っておりました


3/9~18まで、イタリア添乗に行っておりました。

こちらのページをご覧いただいている方にご挨拶なしはまずかろうと、
関空からちゃんと「今からイタリアです」の文面をメールで送っていたのですが、
なぜか…ボツに!

たしかに「いってきます」だけの何のオチもない文面でしたが…
キビシイものです。

思いだしたのは、大阪で過ごした学生時代。
神戸育ちの私がとろとろ話していると、
大阪の友人からピシッとダメダシ。

決まり文句は、「で、オチは?」
なんとまあ、大阪ではオチがない話をしてはいけないのです。

ともあれ。

2日前には、まだローマにいました。

細い路地に面した、“Il Pagliaccio”(道化師)という名のレストラン。

ローマ在住の料理写真家の方に
「いま個人的に一番オススメのお店です」
と教えていただいたステキな空間で、旅の最終夜を迎えていました。

ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマと辿ったイタリア10日間の旅。

超のつく少人数でのご旅行で、朝昼晩と毎度3食ご一緒するうちに、
お互いのプライベートなことも話題にのぼるようになっていました。

「私ね、夫に頼んでいることがあるのよ」と、あるお客様。

「旅先で撮る写真、私にとってこれは回想療法の準備なのね」

大きなカメラを、ずっと欠かさず持って歩いておられた方。
旅先で撮った膨大な写真は、帰宅後すぐに整理してCDに焼くのだそうです。

「いよいよ歩けなくなって家から出られなくなって、頭も少しぼけてしまったら、
 その写真のスライドショーを私の前でずっと流してねって、 夫にはそう言ってるの」
そしたらきっと、いきなりはっきり喋りだすから。・・・フィレンツェ、連れてけって(笑)」 
 
もう、そんなこと…まだまだこれからですよ、と笑いながらも、
私の母の年齢より少し上のその方が、移り変わる景色を惜しむように
ちょっと歩いてはシャッターをのぞいておられた姿が思い出されました。
 

「回想療法」

そんな言葉があることも初めて知りましたが、
私にとって旅の記憶を喚起してくれるものは、写真ではなく絵でしょうか。
気づけばいつも、旅先で1枚ずつ絵を求めています。

今回のは…とくに一目惚れ。

海と自転車。

最後の夜、レストランの開店を待つ間に皆で入った斜め向かいのギャラリー。
目があって十秒で「コレクダサイ」と財布を出した私とその絵を見くらべて、お客さま、

「あなたの願望の表れね、ひとりで旅に出たい、という」

半ば真剣に言われて、ちょっとドギマギしたりしつつ…。

素敵なレストランで何とも洗練されたお料理をいただきながら、
イタリアでゆったり流れた時間のことを思い出していました。

ヴェネツィアのゴンドラでお世辞のへたなアコーディオン弾きと乗り合わせ、気まずかったこと。
フィレンツェ・ウフィッツィ美術館で目の当りにしたイタリア美術史の壮大な流れ。
ローマで食べた旬のアーティチョークの丸ごとフライのほろ苦さ。

きっとこの絵を見るたび思い出すんだろうな…と
少し感傷的にふけていった最後のディナーから一夜あけて。

翌朝からの時間の、なんとあわただしく過ぎて行ったこと。

帰国→帰宅→就寝→出勤(え、もう?)

皆さん、まだまだ感傷や回想にふけったりしている場合ではないですよ!
またご一緒してくださいね。

(大阪のほうから、「で、オチは?」の声が聞こえてきました)

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