銀のステッキ

和歌山の冬の名物といえばクエ料理。クエは体長1メートル、体重20kgを超えるという巨大魚です。その獰猛な顔つきからは想像もできない上品な味の白身は、脂が良くのっているのにしつこくなく、“一度食ったら、ほかの魚はクエん”と言われるほどの絶品です。道成寺は、話題の映画「国宝」で主演の2人が舞った「二人道成寺」の舞台として、聖地巡礼で盛り上がっています。
恋に破れた清姫の妖艶な舞を思い浮かべます。

2026年は午年。馬は古くから人々の生活に根付いた動物で成功や繁栄のシンボルです。馬から連想するのは、“賭け抜ける”“出世”など縁起のいいことづくし。干支にちなんだ神社に初詣することで、来年も飛躍の一年を迎えましょう。昨年、三棟（法堂・大雄宝殿・天王殿）が『国宝』指定を受けた萬福寺で伝統の“皿盛り“普茶料理をどうぞ。

「関西花の寺」とは関西一円25か寺が宗旨宗派の垣根を越えて集まった“花”がご縁のお寺です。各回ともいずれかのお寺でご住職からの“花説法”をいただきます。満願をめざすのではなく、各寺院の花の時期にあわせて、四季を感じてまわります。第1回は、冬空に凛と咲く寒牡丹が主役です。

キリリと冷たい空気と静けさが漂う厳寒の頃。奈良では毎年1月第4土曜日に若草山の山焼きがおこなわれます。春日大社・東大寺・興福寺の神仏が習合し、慰霊・防火だけでなく世界の平和を祈る炎の祭典です。山焼きが終わると二月堂のお水とりが始まり、一気に春の足音が近づいてきます。