銀のステッキ

昨秋、大阪松竹座で２年に及んだ襲名披露興行を終えた團十郎。「この２年間は、“團十郎”という名前と伝統の重みに意識を向けてきましたが、無事襲名を終えた今、新しい作品に向きあいたい」と意気込みを語りました。狂言師の野村萬斎など、これまで様々な役者が演じてきた陰陽師、安倍晴明。「いち俳優として新しい晴明を立ち上げたい。市川團十郎家ですので、荒ぶるものも出てくるような、『動』の晴明を」と。力強い言葉に、期待が高まります。

ヴィクトル・ユゴーの小説を原作としたミュージカル「レ・ミゼラブル」は、１９世紀初頭のフランスにおける社会情勢や民衆の生活を描いた作品で、ロンドンで初演され、日本には１９８７年に初上陸しました。“世界の演劇史を代表するミュージカル“が、約３年ぶりに上演されます。悲惨な状況下でも失われない、生きる喜びと個人の尊厳、自己犠牲、そして愛。登場人物の心情とシンクロする美しい音楽の数々に、きっと胸を打たれることでしょう。

当社では久々登場、辻井伸行さんのピアノリサイタルです。新年の日本ツアーのプログラムは、ベートーヴェンのピアノソナタ第21番《ワルトシュタイン》を筆頭に、リストのノクターン《夢の中に》とメフィスト・ワルツ第１番、ショパンのピアノソナタ第３番など、しっとり聴きたい名曲が揃いました。

「ヨーイヤサー」の掛け声で幕が上がると、四季折々の衣裳をまとった芸妓・舞妓が次々と現れて舞の世界へといざないます。銀襖の前で演者が勢ぞろいする「総をどり」で幕を開けるこの演出は、明治５年の創始からの伝統で、一気に春の訪れを感じさせてくれる華やかな光景です。目の前で繰り広げられる舞踊の素晴らしさはもちろんのこと、京友禅と西陣織の衣裳や、日本画の伝統技法を用いた舞台装置もみどころの一つです。

佐渡裕氏が、１０年を共にしたトーンキュンストラー管弦楽団を率いてウィーンから凱旋！古き良きウィーンの伝統をもち、「生クリームで包まれたようにまろやかな音」と称される両者の奏でる音楽に、ピアノの反田恭平をソリストに迎える豪華な顔ぶれ。モーツァルトとマーラーの大曲を奏でます。

名作「オズの魔法使い」を、2人の魔女の視点から描いた『ウィキッド』。老若男女すべての人に魔法をかける、驚きと感動の超大作ミュージカルです。エメラルド色の舞台装置、数百のきらびやかな衣裳、巨大なドラゴンや空飛ぶほうきなど、そのステージは夢と魔法の世界そのもの。大阪公演は１５年ぶりとなり、チケット入手も困難が予想されます。３月には映画版「ウィキッド ふたりの魔女」が日本でも上映されることが決定し、ますます熱い視線が集まること必至の本作をどうぞお見逃しなく！

中村屋一門による春の全国巡業。初めてご覧になる人も、歌舞伎通の人も楽しめるようにと、「トーク＆ミニ歌舞伎塾」付き。七之助が高尾太夫を舞う「高尾懺悔」、「太刀盗人」をお届けします。