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2026/10/25

海の建築 厳島神社と下瀬美術館

天橋立、松島と並ぶ日本三景のひとつ、宮島へ行ってきました。…と書きながら気づいたのですが、日本三景って、すべて海の風景なんですね。しかも、日本海、太平洋、瀬戸内海と、日本をぐるりと取り囲むそれぞれの海。

宮島といえば、海に浮かぶ大鳥居と海上の社殿、厳島神社です。こんな風景、ほかにあったっけ…と考えていて、ひとつだけ思い当たりました。フランス・ノルマンディー地方の海に浮かぶ修道院、モン・サン=ミシェルです。学生時代、ヨーロッパの貧乏旅行でここだけはどうしても行きたくて、はるばる足を延ばしました。そう考えると、宮島が外国人の旅行者であふれかえっているのも納得です。

さて、私たちのお目当ては厳島神社で年に一度行われる観月能。人間国宝の友枝昭代さんが「清経」を舞われました。源平合戦で敗れ、自ら命を絶った平清経の物語です。

ちなみに海に浮かぶ社殿を築かせたのは、当時、権勢を誇った平清盛。その厳島神社の能舞台で、900年あまり後まで平家滅亡の物語が演じられていようとは…。

なんてことは後付けの感想で、能舞台の引き延ばされた時間のなか、あっという間に観客席のすぐ下まで満ちてきた潮の、ちゃぷちゃぷという波音にずっと気を取られていました。

翌日は、3年前にオープンした下瀬美術館へ。設計は、建築界のノーベル賞とされるプリツカー賞受賞の建築家、坂茂さんです。阪神淡路大震災で多くの方々が倒壊した建物の下敷きになって亡くなったことから近代建築に疑問を感じ、「負ける建築」を提唱しておられます。

集めることで強度をもたせた細い柱や梁。紙屑のロールで作られた椅子やベンチ。

キューブボックスは可動式の展示室で、瀬戸内の島々をイメージしたものだとか。

これが、21世紀の海に浮かぶ建築。カラフルな「島々」の向こうには、昨夜の宮島がどっしり聳えていました。

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